恵方巻の廃棄問題について思うこと
こんにちは!
先日は節分でした。
うちではお父さんが鬼になって子供をビックリさせるとか、おばが鬼のお面をかぶって家に襲撃に来てくれるなんてことをやってます。
ところであなたは『恵方巻』食べましたか?
もともとは関西の縁起かつぎの風習で、節分の日に毎年変わる『恵方』といわれる方角を向いて、巻きずしを無言で1本食べきると願いごとが叶うというものです。
以前関西のある芸人さんが『家が貧乏だったとき、節分の日に朝起きたらオカンが必死に恵方巻にかぶりついてるのを見てビックリした』
なんて言ってたことがありましたが、関西では昔から行われていた風習です。
今はTVCMも流れていて一般的になりましたが、ちょっと変わった風習ですよね。
そんなもともとは関西地域の風習でしかなかった『恵方巻』が、全国区になって時間が経った現在、いくつかの問題が明るみになってきました。
それが次の2つです。
順に説明しながら、僕なりの考察をしていきたいと思います。
恵方巻の推移
毎年節分の日になると、大量の恵方巻がスーパー・コンビニで仕入れられています。
出典:visualizing.info
平成10年(1998年)にセブンイレブンが他のコンビニに先駆けて全国販売を始めます。
その後、他のコンビニも追随し全国的にだんだんと販売量が増えていきます。
縁起物だし巻きずしでおいしく食べやすいし、身近なコンビニでも販売されるようになり驚異的なペースで伸びてきました。
しかし光が強くなればなるほど、それに照らされる影は濃くなっていくもの。
販売されず売れ残った恵方巻が大量に廃棄されている写真や、各コンビニ店舗で過酷な販売ノルマが課されたとSNSで発信されるなど、様々な問題が発覚します。
恵方巻の廃棄ロス問題
こちらの問題は『食品ロス問題ジャーナリスト 井出留美さん』が詳細な取材をされています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20190203-00112970/
関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、恵方巻の廃棄試算はなんと「10億2800万円」。
この記事の中で宮本教授は「廃棄にはさらにコストがかかるので、経済的な損失はこれ以上になる」とも語っています。
「一企業が勝手に作る商品を廃棄処分しようと関係ない」
「作りすぎても、その企業が損するだけ」
という意見もあると思いますが、実際は違います。
問題なのは年間およそ2兆円におよぶごみ処理費用のうち、食品の占める割合が約40%に上り、それが我々の税金で処理されているということ。
つまり恵方巻の大量廃棄も一企業だけの問題ではないということです。
我々の税金を使って処理されています。
社会保障費が削減され社会保障費が天井知らずで上がっている昨今、小さな問題と見過ごすことが良いのでしょうか?
コンビニの恵方巻に過酷なノルマ
恵方巻の販売数が増えるとともに、その販売に過酷なノルマが課せられて店舗スタッフから対応に困っているというSNSが発信されるようになりました。
コンビニオーナーだけにとどまらず、パート・アルバイトの人にまでノルマが課せられ、割り当てられたノルマが販売できないと不足分を自腹で購入する、いわゆる『自爆営業』を強いられるケースもあるようです。
前年の売り上げに対して機械的に数%上乗せし、それを各店舗に割り振り、必ず達成するよう指令を出す。
店舗は達成しないと本部の覚えがめでたくなくなるので、必死になって販売する。
しかし通常のお客だけでは販売数が足りず、スタッフの家族、友人、果ては各個人に買い取りさせてでもノルマの達成を図る。
もう、この図式に無理がありすぎると感じます。
そもそも基にしている「前年の売り上げ」についてもスタッフが自爆営業するなどで無理をしていた可能性があるものに、機械的に数%の上乗せをすると、実際に店舗が販売できるキャパを大きく超え、結局そこで働くスタッフに大きなしわ寄せが来ます。
企業は儲かるかもしれませんが、それで働く人は幸せになるのでしょうか?
この恵方巻の件は、日本の社会の問題にも思えてきます。
実際の現場を見ず会議室で数字だけで話を進め、その計画に無理があったとしても、あとは店舗でどうにかしろ!という販売方法のままでは、働く人たちはいずれ疲弊して離れて行ってしまいます。
まとめ
恵方巻は縁起もの。
本来、家族で楽しく喜んで食べるものです。
それが今は販売ノルマに追われてツラく厳しい。
食べる予定のない恵方巻が食卓に並ぶ。
あなたは今回の恵方巻の件を、どう感じますか?
節分の時期が皆に楽しみに迎えられるような、そんな社会になって欲しいと願います。
ではっ!!